てけノート

on the foot of giants

移民になって思う移民政策の是非

   


パリに引っ越して早2週間、といっても1週間くらい旅行してたのでそんなに経ってないけれど。
今回は移民についての話をしてみたいと思います。
というのも、今の自分の立場は「働きに来ている外国人」で、学校のようなコミュニティに所属しているわけではないので、移民の立場になる事が多いためです。学校の寮でもないアパートで一人暮らし。

さて、そんな期限付き移民の自分が先日驚いたのは、パリの地下鉄での事。でかい犬を連れて平然と電車に乗ってきたおっさんがいて、しかもその犬が他の乗客をちょっと咬もうとしました。当然怒る乗客。しかしおっさんは「俺の犬を連れていて何が悪い!」の一点張り。ちなみにパリの移民の割合は公式発表で20%程度。

ああこの人は常識がないのだなあ、というところで「常識」の存在が出てきます。日本で言うところの『常識』でなく、いわゆるCommon Senseとして。
移民は、他の国の異なる教育を受け、他の国の生活習慣や振る舞いを持ったままやってくるので、もちろんSenseがCommonではないわけです。
例えばフランスでは、列を作るという概念がかなり希薄です。バス乗車は闘い。ゴミも分別しません。缶瓶燃える燃えない一緒くたにして出すようです。
日本のSenseを持ち込んだ自分としてはまぁコノヤローと思うことが多いのですが、こういう習慣って誰も教えてくれはしません。住んでて何となく分かる、もしくは気づきたくても気づけない。
きっと自分も気づかないうちにフランス人を不快にしている点が多々あるでしょう。でもそれは教えてもらえません、少なくとも公共の場では。

こんな移民達は、真っ先に疑われます。僕は比較的信用の厚い日本人ですが、外見は普通のアジアンとなんら変わらないので、例えばスーパーでリュック持ってると「開けろ」って言われてレシートと荷物をチェックされるのはザラですし、よくガードマンの人と目が合います。
移民の人達がブランド物が好きになる理由も分かります。毎回こんな疑われるのはけっこうなストレスです。ブランド物は金銭や身分の証明として働きます。
結果として、ストレスいっぱいのその国の社会よりも、自分たちのコミュニティの方が居心地がよく感じます。最初は小さかったものがどんどん大きくなって、やがて移民街へ。
パリはもう移民だらけなので、電車の改札を飛び越えるのも当たり前だし、ライブ会場かと思うような爆音で音楽を楽しむのもよく見ます。人数比でマイノリティと言えなくなってきたため、元のパリの常識が常識として機能していないように感じます。

というとこまで移民として体験or想像して、移民政策の是非について多々思うところが出てきました。
日本では専ら人口減少に伴う労働力の減少の問題とセットで論じられることが多いですが、ここの労働力という点に疑問があります。
『労働力』という言い方での議論における移民を、我々は企業で机を並べて働くホワイトカラーの同僚として想定しているんでしょうか?してない。
工場員やら清掃員やら、そういった単純労働を移民にやらせようという意図は見え見えです。
先日、フィリピン人を看護師として受け入れる資格制度にて、業務中に死んでも労災認定しない契約書にサインさせていたというニュースがありましたが、そういう意識の現れではないかと。
もちろん、群馬のブラジル村みたいに、うまく地元と共生ができている例もあります。
気になる犯罪率についても、外国人が犯す犯罪よりも日本人が犯す犯罪の方が多いというデータもあります。
うろ覚えでいい加減なこと言ってました、すみません。以下のソースより確認できますが、国籍に依るようです。
http://web2.nazca.co.jp/midorinosono/

が、差別大好き&ろくに英語も浸透していない日本において、移民が果たして上手に共生できるとは現状では疑わざるを得ない。労働力がヤバいってのは問題として分かりますが、だから移民を入れようというのはあまりにも短絡的に過ぎるし、今の日本での受け入れはあまりにも準備不足かなぁと。

フランスの移民はアルジェリアなどのフランス語圏が多いにも関わらず、こんな状態です。言葉すら通じない日本でどうしてすんなり受け入れがうまくいくでしょうか?
如何に入り口をバッチリ作ったところで、実際に日々の関わりを持つのは国民であり、
ゴミの出し方とか、電車の中でうるさいとか、そういう一つ一つの細かいストレスが積み重なってお互い不幸になる、そんな気がしています。
まあ電車の中で話してると怒られるってのは正直僕は良く理解できませんが。

なので、日本のコミュニティへの受け入れを可能にするための国民全体での英語の向上、
入り口でのある程度の日本語能力の義務化、あたりは必須か。
Senseの同化は不可能なので、何を許容して何を許容しないのかを決め、予め条例を作っておくとか?

移民政策のディベートを授業でやったのが5年前。
いざ自分が移民側になって、懐かしく感じてます。これは難しい問題だなぁ本当に。

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